国立劇場の型破りなPPAPに寄せて

ピコ太郎のPPAPが世界中を席巻し、様々なパロディや2次創作が生まれて久しいですね。最近では国立劇場もパロディを作ったらしく、SNSでもずいぶんな盛り上がりを見せていました。日本の伝統芸能からすると、ずいぶん型破りなパフォーマンスなわけですが、この映像を見て僕は18代目中村勘三郎の座右の銘の話を思い出しました。

18代目中村勘三郎の座右の銘

ずいぶんと昔に、何かのテレビ番組で紹介された話です。自分のやりたいことをやりたい若者に故中村勘三郎さんが自分の座右の銘として、こんな言葉を紹介していました。「型を身に付けねば型破りにはなれない、型がなければただの型なし」もとは子供電話相談室の無着成恭さんの言葉らしいですが、この言葉に感銘を受けて、ご本人の座右の銘にしたとのことです。

型破りの背景にはしっかりした型がある

「若い人はすぐ型破りをやりたがるけれど、型を会得した人間がそれを破ることを『型破り』というのであって、型のない人間がそれをやろうとするのは、ただの『かたなし』です」という勘三郎さんの言葉を思い出すと、先ほどの国立劇場版PPAPも最初に見たときとは違った印象を受けます。ゆるキャラや編集でコミカルな印象に仕上げてはいますが、動作の一つ一つにはやはりプロそのもの。伝統芸能の徹底した型の習得が背景にあるからこそ、そこからあえて外したときに今回のような素晴らしい作品になるのだと改めて実感しました。

実は知ってる人は知っていた話なのかも

言葉や捉え方に若干の違いはありますが、その道のプロや一流と呼ばれるような人たちは「型破り」とはどういうことなのか心の底では理解しているのではと思います。例えば島田紳助さんは紳竜のデビュー当時に徹底的に漫才の型の研究をしたという話は有名です。また、デザイナーの原研哉さんの「個を徹底的にそぎ落として最後に残ったところに個性がある」といった類の話も聞いたことがあります。抜きん出た個性を生み出すためには、上部の派手さを求めるのではなく、それを裏付ける圧倒的な型の理解と会得が必要なのかもしれませんね。

 


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